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2022年、映画館で観たアメコミヒーロー映画の思い出話をする

なんかワーナーの迷走?が著しい昨今ですが、ビッグバジェット系ヒーロー映画ファンの皆様はいかがお過ごしでしょうか…。そういや「ザ・フラッシュ」、観に行く?どうする???

MCUのほうも、VFXチームから過重労働の内部告発があったり(そりゃあんだけ作ってりゃあな…ていう)、なんかこう、ちゃんとしてくれよ、という気持ちになる話題が目に付く一年でしたね。

ということで、映画館で観たアメコミヒーロー映画の思い出話を書いておきます、なんかそれぞれのクオリティは高いのに、一本の映画として評価されにくいのはもったいないような気もする。あ、だからDC”エクステンデッド”ユニバースとか言い出したんか?

ちなみにDisney+には加入していません。……いや観るヒマ無いんよ、アマプラでさえ出たり入ったりを繰り返しているというのに。だからちゃんとした考察とか解説は、有識者の皆様にお任せいたします。本当にただの思い出話をします。原作コミックスも読んでないしね…。

ネタバレするかも…ごめん…

まずMCUの4本。

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」

上期のまとめにも書いたけど、これは初日に駆けつけて良かったな、と思った1本です。あと21世紀の全スパイダーマンを復習しといてマジで正解だった。にわかではありますが、とっても楽しかったです。いつも閑散としている行きつけの映画館も、初日のレイトショーは珍しくすごい熱気だった。ていうかストレンジ先生の能力は使い勝手が良すぎる、これでヒーローの引退も復帰も自由自在じゃん。そんなことないです?

 

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」

なんかジュブナイルホラー風味で楽しかったです!序盤に出てくる巨大クリーチャーの目玉がでろん、ってなるとことか、ワンダが追いかけてくるところとか、ホラー映画のクラシックスタイルでとっても良かった。あとゾンビ。あのくらいのホラー演出で満足じゃよワシ…。それからみんな大好きあの音符バトルね。戦ってる二人が真剣だから笑っていいところかどうかすげー迷った(笑ったけど)。あれを映像化したクリエイターの皆さんはすごいよ。ところでストレンジ先生は、若者たちとワイワイやってるときが一番いいよね、中の人の真面目さとか育ちの良さ(知らんけど)が滲み出ている。学校に必ず一人はいる、気難しいのにやたら慕われてる専門科目の先生みたい。

しかし年初に「パワー・オブ・ザ・ドッグ」でベネディクト・カンバーバッチの良さに目覚めた(遅)自分にとっては、様々なストレンジ先生をしっかり堪能できたのも大変に良かった。ほぼ予備知識ゼロで挑んだので(なんせ原作未履修だからね)、ストレンジ先生が大暴れ(比喩表現)するたびに手を叩く勢いで喜んでいた。最高だった。

この時期に現代物理学のマルチバースに関する入門書などを読んでみたりしたんだけど、「ノー・ウェイ・ホーム」はレベル1マルチバースで、本作のマルチバースはレベル4かな…??(適当だよ!!)

 

「ソー:ラブ&サンダー」

元々そんなに思い入れの無いシリーズだったので、なんかノリきれないまま終わった…うーん。クリスチャン・ベールの怪演はド迫力だったが無駄遣いスレスレなのでは、とか。というか、話が強引なところをクリスチャン・ベールの力業で納得させられた感じだったけど、このヴィランの背景はもう少し丁寧に扱うべきでは、と思ってしまった。ギャグと世界観の食い合わせが悪いのか??同じタイカ・ワイティティの「ジョジョ・ラビット」は割と好きなんだけど…。あ、ヤギはずるいよ、ヤギ。

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まあとにかくジェーン周りの展開がキツくて、いやーちょっと…。原作準拠にしてももうちょっとこう、やりようがあるのでは…てなりました。このあとヴァルハラでなんかあるんか…??(無知)

 

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」

ものすごい重圧の下で製作されたであろう本作、よくぞここまで仕上げたな、と素直に感心しました。1作目から、アフリカ文化を取り入れた斬新なビジュアル表現が大変に素晴らしかったですが、本作はメソアメリカ文明まで拡張してなお美しく、新しく、本当に隅々まで眼福でした。あとヴィランのキャラ設定も、MCUシリーズ中では新鮮で良かったです。そんで煌めく装飾品を見事に着こなすセクシー&ホットガイだったな…地球出身キャラでは最長老クラスのはずだが…。ヴィラン側のメインキャラには南米ルーツの俳優を起用していて、そういう”ちゃんとしようとする”のをこういう大作でやってくれたのも良いですよね。観客だって安心して消費したい気持ちはあるわけでさ。

もちろん大作エンタメであるからには、単なるこころざしの高さというよりは商業上の要請があってこそのチャレンジだと思うけど、それが見事に成功して、フレッシュなクリエイター(俳優含む)が飛躍していくのを見届けるのは、新作映画を追いかける楽しみのひとつでもあるよね。

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しかしエンドクレジット後のあのラストはいただけない。原作の方ではワカンダは共和制に移行しているらしいので、映画も次くらいでそうなって欲しいけど。現実の権力と超人的な力の両方を持つのは、稀代の俳優、チャドウィック・ボーズマンの技量でなんとかバランスできていただけで、その路線を他の誰かが背負う必要ないでしょ、と最後の最後でちょっと醒めてしまった。そこまでが良かっただけにね。

そのあたり、意外にも(?)「ブラックアダム」があっさり解消していたのが面白かったです。

DCとかその他(その他?)…。

「モービウス」

その他って書いちゃったけど、結局モービウスはMCUに合流するのだろうか…何も分からない。まあそれ言ったら匂わせがすごい「ヴェノム」もだけど。「モービウス」、予告にあった映像が本編に無いことで一部で話題に(?)なってましたね。ユニバース化の方針が定まらないからこんなことに…なにしてんの。

映画のほうは、友情と執着を拗らせた親友同士が大変なことになっていて、あらあら、と思いながら観ました。病院のホラーっぽい演出が面白かったよね。脚本が散らかっているのはまあその通り…なんか嫌な感じの経緯が無ければいいんだけど(後からプロデューサーの編集権の濫用とかで内部告発があったりするじゃん)。…いや何もなくてあのストーリーだったら、それはそれでクオリティコントロールを何とかしろ、って感じですけどね。

ジャレッド・レトは割と気に入ってる俳優なんですけど、憑依タイプなのでこういう役だとマジでハラハラする。あと、シリーズ化するとしてマット・スミスが本作だけで退場するのはもったいないのでは、と思いますけど、なんかしれっとキャストを一新してリブートとかやりそう。

 

ザ・バットマン

いや長いよね!?と鑑賞当時はビビったが、その後180分越えの作品が立て続けに公開されたので、今となっては、まあ長いかな…くらいのテンションです、はい(何の話??)。

まあ一作目なので仕方ないかもしれないが、ブルース・ウェイン自体の覚醒と、謎解きと両方やろうとするとちょっと大変だよね、と思いました。登場キャラも多かったしねえ、楽しかったけどさ。バットマンて割と根暗なイメージありましたけど、本作はそっち方面に突き抜けていたのが個人的には好きでしたね。あれで大富豪をやっていけるのかは謎ですが。あと、ゴッサムシティのビジュアルは好きな感じでした。

バットマンバットマンを辞めるときにようやくハッピーエンドを迎えると思うんだけど、本作のバットマンはどこに着地するんでしょうね。ぜひ最後まで完走して欲しいです。がんばれパティンソン。

 

「ブラックアダム」

予告編で盛大なネタバレをかましていることでお馴染み。いやー、あれは無いわ…(本編鑑賞後に観た)。頑張って予告を避けていた甲斐があったというものよ。観てしまった人は…かわいそう。日本版だけがあれなんだとしたら、本国のプロデューサーとかにバチバチに怒られて欲しい。

さてロック様の天然ヒーローも素敵でしたが(本質的には善良なのに思い込みの激しさと時差ぼけで面白い感じになっているのが中の人の魅力を引き立てていたよね)、いやあの…ケント御大とカーター兄貴のあれはいったい…??有識者の皆様も一様に困惑されていたようなので安心しました(してない)。スピンオフとか無いんですか?無い?あ、そう…。二人とも私服もめちゃお洒落だしさあ…中の人のイメージそのままだったな。めちゃくちゃ素敵な二人だったよね、変身後のコスチュームデザインも気合が入っていて、スタッフに愛されてる感じがしたよね。

あと、ジャウム・コレット=セラ監督、打率が高い!観客に愛されてる作品が多い!たぶんだけど、いろんな要素をいい感じにまとめる能力に秀でている。企画や脚本が粗くても何とか素敵な映画にしてくれる。業界人から信頼されてるタイプなのではなかろうか。知らんけど。

いや~アメコミヒーロー映画っていいものですよね!!!

なんか主役やヴィランを演じる俳優の皆様の重圧はいかばかりかとやや心配になることもありますが、ベテラン俳優の魅力を再発見したり、勢いのある若手俳優が実力とオーラを身に付けていくのを目の当たりにしたりすると、すごいなあ~ってなりますね。

あと、いろんなヒーロー像を力いっぱいプレゼンされて、世界が拡張していく感じも楽しい。もともとはアメリカのローカルなカルチャーであるアメコミヒーローが、お金のかかった映画で語り直されることで普遍性を得て、世界中で本当にたくさんの人を救ってるんだろうな、と思えてそのこと自体で救われる気がする。

だからあの、労働環境とかクリエイターの権利関係とか、そういう基本的なところはマジでちゃんとやってください、儲かるビジネスなのは分かるけど、素直に楽しませてくれ…!!!

ということで、アメコミ映画は来年もたくさん公開が予定されていますので、引き続き楽しみに、緩く追いかけて行こうと思います!

では~!!!