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今のところ映画の話をしています

#いいねの数だけ映画好きが答える

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ツイッターで流れてたやつ、誰にも聞かれてないけど自分用メモのためやってみます!!

1.好きな映画のジャンルは?
ハリウッドのブロックバスター系のやつ。監督のセンスがパワー(資金)を得て暴れまわっているとなお良いです。

2.一番好きな映画は?
決められなーい

3.誰かに一番おすすめしたい映画は?
相手による!ガチプレゼンするから!

4.好きな俳優は?
ひとの顔が覚えられない特性があり、俳優も顔と名前が全然一致しないのであれですが、出演作を観ると毎回驚かされるのは松たか子、声が好きで名前を覚えたのはスカーレット・ヨハンソン

5.映画を観るときに欠かせないフードやドリンクは?
特になし。水とか?

6.苦手な映画のジャンルは?
恋愛映画…苦手っていうか、恋愛の機微が分からなくて見所が分からないまま終わることがよくある。名作と言われる作品でもそうなので、完全に自分のスペック不足のせい。

7.最近観た映画は?
今月は、
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 アメリカン・ハッスル バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版> エール! セッション LION/ライオン~25年目のただいま~ 君の名前で僕を呼んで ハーフネルソン 哭声/コクソン 笑の大学 アラジン(2019) ザ・マジックアワー ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~ Love Letter
テレビやGAO!で無料で観れたやつを無節操に…映画館が閉まってたし…

8.好きな監督は?
監督を語るほど映画を観てないのですが、ここ一年くらいで急に名前を憶えたのは阪本順治ポール・フェイグ(敬称略)。

9.サントラが好きな映画は?
人生で一番繰り返し聞いたのは「アメリ」。ずっと持ち歩いてる。

10.映像表現が好きな映画は?
映像表現ってなに??わからんけど「ボーダーライン」で。

11.一番泣いた映画は?
累積回数が多いのは「ハウルの動く城」。映画始まってからの最短時間は「SING」。予告編だけで泣いたのは「戦火の馬」(怖くて本編を観てないという)。記憶に新しいのは「ウルフウォーカー」。子供と動物が出たらすぐ泣くから…。

12.一番笑った映画は?
えーなんだろ、「SPY」とか?

13.一番怖かった映画は?
呪怨2」思い出させるな…

14.飲んでみたい映画カクテルは?
映画カクテルってなんぞ。印象的なのは「シンプル・フェイバー」のマティーニ

15.子供の頃好きだった映画は?
となりのトトロ」「魔女の宅急便」「天使にラブソングを…」「ジュラシック・パーク」 三つ子の魂百まで!

16.お気に入りの映画館は?
特になし。故郷にあった思い出の映画館は無くなったしな。

17.家にある円盤を教えて
ビッグ・フィッシュティム・バートンの最良の面が出てるよね。

18.好きな映画のワンシーンは?
いま思いつくのは「新感染」のラストシーン。すごかった。

19.次に観たい映画は?
「ブラック・ウィドウ」映画館で観たいんや…ずっと待ってるんや…

20.映画って最高!と思う瞬間はいつ?
そりゃいい映画をエンドロールまで見届けたときでしょう!

 

これ数年ごとにやったら楽しそうだね!

では!!!!

映画「哭声/コクソン」を観て混乱したので整理した

「哭声/コクソン」、観たんですよ、めっちゃ堪能したんですよ。てか梅雨の初っ端に湿度と戦いながら観たのはなかなか盛り上がって良かったです、東アジアのじわっとした不穏さと、田舎の濃密な人間関係と、驚きの展開の盛り合わせでお腹いっぱいですよ。

でそれはそれとして、分かりにくい暗喩みたいなのが大量に散りばめられていたな…というのも気になっていて、オープニングで新約聖書が引用されていたので、キリスト教に関連しそうなモチーフを整理してみました。一回しか観てないで書いてるので不正確な点が多々あるのと、考察とかあんまりできないので真面目に受け取らないでください…分からんしか言ってないし…。

なお内容の性質上、ネタバレがものすごいです。ご了承くださいませ!!!

※※※

※※

※なるべく登場順に並べたつもり

キリスト教の直接的なモチーフ
〇オープニングと洞窟の会話での新約聖書の引用(キリストの復活)
・村の教会
・神父
助教
・同僚のネックレスの十字架(主人公が「しまっとけ」て言うのはなぜなんだ)
〇森の樹冠の隙間が十字架

キリスト教を暗喩するモチーフ
〇湖(パンの奇跡、水上歩行の奇跡)
〇魚、魚釣り(人間を釣る漁師)
・皮膚病(キリストは癒す側なので、罪の自覚の比喩かな)
・火事(燃える藁の啓示…こじつけ過ぎ?)
・投石(ただし新約聖書ではキリストを含め誰も投石しないはず)
・娼婦(マグダラのマリア
・落雷(≒啓示、預言)
〇山の上(山上の垂訓…的な)
・黒い羊(英語で集団内の厄介者の意味)(山羊だと悪魔の手先になるけど…分からん)
・鳥(カラスor黒い鶏だったのでちょっと微妙)
〇釘打ちによる処刑(依代みたいなやつだったけど)
〇死者の復活(火事の家の死者、軽トラの死者)
〇夜明けの鶏が3回鳴く(裏切りの合図)
〇祈祷師の回心
〇洞窟での復活
〇手のひらの聖痕

それっぽいけど分からんモチーフなど
・雨(中東の乾燥地域≒聖書の舞台との対比?)
・カメラ(魂を抜かれる、みたいなの韓国でもあったの??)
・”日本人”(異邦人でありながら同胞、みたいな距離感なのは分かる)
◆赤い目
◆鹿殺し(?聖書では鹿はキリストの比喩だけど、鹿殺しとなると、うーん)
・血まみれの顔(何回もあったので演出上の要請だけではないような気がする)
・山の家の中の祭壇の写真(高齢の男性と女性?の白黒写真)
・黒い犬(魔物の象徴?キリストにとっては犬は救うべき対象の比喩らしいが)
・幻覚キノコ(中東でのキリスト教の発生に幻覚キノコが関わるという異端な仮説があるらしいけど…関係ある??なお聖書の中にキノコに関する記述は無いらしい)
・悪魔憑き(っぽい)少女(罪に触れてそれを自覚してしまったという解釈?)
・白い液体(祈祷師が吐いたやつ)(醤油壺の対比か?分からん)
・蛾?羽虫?(祈祷師の車にぶつかってくるやつ)(蝿だったら悪魔?)
・ラストカットの回想シーン

物語上の謎(自分が分かってないだけかも)
・火事の家の奥さんは、なぜじさつしたのか(キリスト教では禁忌)
・祈祷師はいつ回心(?)したのか。蛾?に襲われたとき?
・少女はどこへ行ったのか(復活したキリストに帯同した女たち?)

他にもあった気がするけど、分からんことが多すぎて忘れた…。

結局、誰が何だったのか
上で挙げたモチーフを整理すると、
〇→"日本人"が救い主であることを暗示するモチーフ
◆→"日本人"が悪魔に類する存在であることを暗示するモチーフ
・→分からん、なんも分からん

こうして見ると、國村準演じる"日本人"は、救い主であることを暗示されながら、誰にもそのようには受け取られていない存在なんですね…でも最後、明らかに変身してたよな…あれも夢オチか??分からん。救い主だとしたら何から救うんだ。田舎の閉塞?分からん。なんも分からん。

どれもこれも監督の手のひらの上のような気がしてきたな!!!

ここまで書いたところで監督がだいたい説明してくれている記事を見つけた…映画を観た後に読んだ方がいい気もするけど、良いインタビューだと思います。

www.webdice.jp

しかし韓国語ネイティブの観客からすると、得体のしれない”日本人”が、耳馴染みのある聖書の言葉を、知らない言語で喋ってるの、めちゃくちゃ不気味だよな??オリジナル版は韓国語字幕なのかな?それも気になるね~。

まあこれだけ書くことがある時点で、観た甲斐のある映画なのは間違いないですからね!!!!踊らされてるぅ!!!

では!!!

映画「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を観たけれど

!!!!!注意!!!!

この文章は、スターウォーズシリーズに特に思い入れがないままシリーズ完走した映画鑑賞初心者が、ネタバレを意に介さず「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」について気になったところを遠慮なく書き綴るものです。

読まないほうがいいと思うよ!!!

いいね???

警告しましたよ?!?!?!

※こっから先はネタバレ気にせず行きます。

※※※

※※

なんかシリーズの混乱を反映したのか知らんけど、完結編にしては脚本?演出?がゆるくないですか?????スターウォーズシリーズってこういう感じなん???

以下、気になったところを挙げていくよ!!ちなみに「42年ぶりのお祭り」とかそういう小ネタはけっこう好きです。ファンサありがと!!

 

・なんですぐ仲間が集まるの???

パルパティーン「星をひとつ焼いて見せしめにしよう」→わかる

レジスタンス「呼びかけたら仲間が集まるはず」→え??なんでそう思った??

えーいやいやいやいや。むしろそういうレジスタンス側のセオリーというか”あるある”って、地下に潜った仲間がいるはず→蜂起→仲間来ない→壊滅→再起を図る、みたいな感じじゃん。どうやって離れたところの仲間と連絡をとるかとか、裏切りにあったり来るはずの救援物資が来なかったり、みたいなところにドラマが…、スターウォーズはそういう話じゃないって??いやでもレイア姫を擁する組織が革命の中心になるんだからそういう話じゃ…あれ???

いやー、むしろ星ひとつ破壊されたのにあんなに集まるの凄いよ。もしかして全宇宙の全体からするとほんのちょっとだったりする?まあそれ言ったらスターデストロイヤーの艦隊の指揮系統が脆弱すぎるけどな…パルパティーンががんばる予定だったのかな…そんな馬鹿な。

なんかさあ、キャラクターに頼りすぎじゃないですか??そんなことない??世界観とかにとらわれすぎて、ヒーローの冒険譚・成長譚としてはあんまりおもしろくないよね…貴種流離譚だから物語の鉄板だと思うんですけどね。いろんな人の思い入れが悪い方向に空回りした、みたいな印象を受けました。すみません。

 

・フォースの力(なんという重言)がチートすぎやしないか

フォースってそんなことできるんや!!(できるよ)

いや潜入先でレイがやってたやつとか(なんか催眠みたいなのかけてた)、なんか飛行機を落としたり(操ったり?)。パルパティーンが最後らへんにやってたのと同じかな。あれ極めたらなんでもできるじゃん。極める暇がなかったてことか。いやでもジェダイ候補をもっと真剣に探すという手段もあったのでは。その道をとらなかった理由ってなんかあったっけ??レイが素質がある血筋だってのはわかったけどさ、ほかにも修行したらちょっと使えるやつ全宇宙にはあと10人くらいはおるじゃろ。レイア姫はなんでレイひとりになにもかも託したん??さすがに無理があるんじゃないか???

あと、あえて21世紀になって新しい主人公で続編を作ったんだから、新しいヒーロー像を取り入れて欲しかったよね。ヒロインだけど。血族に囚われた最後の一人、そして解き放たれる最初の一人、みたいにしたほうが見たかったよね~~~。

むしろジェダイ(フォースを操る特権階級みたいな人)を葬る話になるのかと思ったけどそれもなかったしな~~~。自分のライトセーバーは手放さなかったので、ジェダイは残るんじゃん。それだったらみんなのライトセーバーも埋めたりせずに、血縁に囚われない後継者を育てたらいいじゃ~~ん。

最初のシリーズにはいろんなジェダイがいたじゃんよ~~あのワクワク感が懐かしいわね~~~。

 

・チューバッカが退場するわけがない

ぜんっぜんピンチ感なかったよな…ていう話です。仮に退場するとしても、なんか見せ場が要るじゃろ。完結編の大団円を前にして、あれで退場するわけがない。C-3POが記憶を無くすのもなんの伏線でもなかったよな…ちょっと面白いだけだった…なんでだよ。もうちょっとこう、最後の作戦に絡めるとか、記憶を取り戻すドタバタをエンドロールで流すとか、なんかやりようがあったのではないだろうか、と思いました。

 

・レイが軽装すぎやしないか

いやただそれだけですが。予告編を見ていた頃から気になっていたので。

あんな未知の惑星を旅するのに首元とかあんなに開いてて大丈夫??足元もさー、もっと防御しなよー、磯(衛星ケフ・ビァ)で足の裏を負傷したら大変よ??チューバッカ並みの防御力(毛皮)あればいいけどさ。だって廃品回収やってたよね?もっと重装備じゃないと危なくない?ハン・ソロだってもうちょっと装備あったでしょうが。…そんだけです。はい。

 

・いろんなとこに行き過ぎて忙しい

これは自分の理解力というか、思い入れの無さのせいだと思いますが。最新?シリーズのマンダロリアン含め、アニメとかゲームとか小説とか、スピンオフ的な作品は一切チェックしていないので、それぞれの場所や遺構がどれくらい意味のあるものなのか分かりにくいんですよね。次のシリーズに出るかも!みたいな期待感もないしさ。いっそ小説版を読めばいいのか?映画を観たおかげで固有名詞がだいぶ分かったので、小説でもついていけるかもしれない。

とはいえ、映画作品として始まったシリーズなんだから映画だけを追いかけてもちゃんとカタルシスがあるように作って欲しかったよね~~~。

 

・結局

作り手の中で、誰がどういうことをやりたかったのかよく分からなかったな。初期シリーズはもちろんジョージ・ルーカスがやりたいことを可能な限りのリソースを突っ込んでやりました!!っていうのがよく分かったけど、それ以降は、コンテンツとして大きく育ちすぎたのでは…という印象ですね。

※※

も~~~~

思い入れが無いから~~~こんな感想になってしまったやんか~~~。

そもそもですね、マンダロリアンが面白いらしい→スターウォーズシリーズ完走してなかったな→完走しよう、ていう動機で最新シリーズを観たのに、完結編のせいでディズニープラスに加入する元気がなくなってしまったやんか~~~。

マンダロリアン、どうですか???

てかアベンジャーズもディズニープラスやんか~~~も~~~~

…。

…。

では!!!!!!

映画「はじまりへの旅」を観てアメリカの底力に嘆息する

これはね!ここで当方が凡百の言葉を並べるより、最高に素晴らしいぬまがささん(ブログ→ 沼の見える街 )の紹介漫画があるので貼っておきますね!!!

cinema.ne.jp

いやもうこちら読んでいただければ、ていうか映画本編を観て頂ければ特になにも言うことは無いんですが!

いや~~~~良い映画でしたよ~~~~

テーマはけっこう複雑で、誰もが頷けるような内容ではないんですが、エンタメとしての出来栄えが大変によいのですよ!!よくぞこのテーマをきちんとエンタメにしたな!っていう驚きがありました。とにかく子供たちが元気いっぱいで、世界はきらきら眩しくて、鋭い社会批評と、ビターだけどポジティブな人間観があって、タフで優しい家族の物語です。

以下、いくつかの項目に沿ってわーわー言うとりますが、ネタバレしてないとは思うけども、自信はないのでよろしくです!!!

 

アメリカ広いな大きいな

この話が成り立つの、アメリカしかない。アメリカというのは本当にユニークな国家だなと改めて感心しましたよ。ここ数十年の間、国際的な覇権を握ってるからアメリカがグローバルスタンダード、みたいなことになってるけど、よく考えたら変な共同体だよな、アメリカ。建国の物語が共同体の理想を語るのってなかなか無いよね。国家より先に市民がある、みたいなのが共通認識として深く浸透している。

それでアメリカ発のいろんな物語で、自立したアメリカ人の理想、みたいな自給自足の孤高の中年男性が出てくることが良くあるんですが、それの極北みたいな生活をしている一家が主人公なのです。世捨て人のような、非常に聡明で勇気と実力のある一匹狼、というのはよほどアメリカ人にとっての理想なのであろう。しかしそれが家族となるとどうか、ていうかなぜそんな生活をしているのか、が物語上の鍵のひとつになります。

ちなみに主人公一家と似たような、定住しない生き方をしている家族と出会う場面もあって、そういう人たちとも違う孤高さ(孤高さ?)を際立たせていた。

あとやっぱりアメリカ広いからさ、景色がダイナミックに移り変わるのがロードムービーの面白さを支えてるよね。あとで確認したら結構な距離を移動していてちょっとびっくりしました。

そういう旅を経ての、最後の最後、ラストシーンの穏やかな美しさはほとんど宗教画の様相であった。オランダ黄金時代の絵画で、フェルメールに代表されるような、卑近な日常の一瞬を精緻に描くと宗教性を帯びる、みたいなそういう美しさです。

ラストだけじゃなく、主人公一家の生活の場面すべてのディテール、生活用品、小物類、細部まで信仰にも似た思い入れを感じるような素晴らしい出来栄えでした。隅々まで思想が行き届いているのがよく分かる。

ちなみに信仰の話は物語の中での重要な話題のひとつですが、特に宗教的なモチーフが強調されるわけではないです。ただ、アメリカというのはものすごく宗教的な国家だというのはよく言われていて、本作でそのことを強く意識させられるのは間違いない。そういう意味でもアメリカだな~~って思う映画でした。

ヴィゴ・モーテンセンは良い役者であった(今さらごめん)

まじで今さらすみません。ブロックバスター系の映画しか見て来なかったからさ、アラゴルン以降のキャリア知らんのよ(以前も知らんが)。

役者本人の、大自然に囲まれて伸び伸びと育ったシャイな野生児、っていうキャラクターをそのまま活かしたようなよい配役で、よい演技でした。何かを背負った男、っていうの本当によく似合うな!知らんけど。自然の中で、自らに課した規律に従って自由に振る舞っているときの生命力に溢れている感じ、それを妨げる存在への酷薄さ、そういうのが全身からにじみ出ていて大変良かったです。

・6人兄弟、みんなファンタスティック。特に長男、お前が天使だよ!!

生真面目で賢い長男、聡明で穏やかな双子の姉妹、はねっ返りの次男、独自路線を突き進む三女、好奇心旺盛な三男、みんな可能性の塊ですごかった。なんかヴィゴ・モーテンセン演じるお父さんが文武両道のすごいスパルタ親父なんだけど、子供たちは普通にカリキュラムをこなしてて、さらにその上をいく可能性に満ちてて、その輝きが本当に眩しくて、人間の可能性を心底信じてる人たちがつくった映画なんだなあと思いました。

で、長男よ。準主役くらいの扱いの長男は、成人間近という年齢的なこともあって父親の片腕のようなことをやっていて、母親との結びつきも強い。両親が定めた家族のルールをいちばん内面化している"優等生"的なキャラクターなのですが、彼が本来持つ善良さ、優しさが(本人が自覚する以上に)大切に守り育てられていることに感動するし、それが世の中にもたらす奇跡のような瞬間があまりに美しくて、浮世離れした言動に笑いながら、でもものすごく胸打たれる。ダメな社会にもたらされた福音のような存在だなあと思って、まさに天使だよな、ってなりました。彼のような青年が育ったことで、父親が社会から免罪されるというか、赦されるような側面もあるんだけど、そんな枠にとどまらない素晴らしいキャラクターでした。もちろん、そんな安易な”赦し”に乗っかるような映画ではないのですが、一応。

この魅力的な役を演じた俳優、どっかで見たなと思って調べたら、かの大作「1917 命をかけた伝令」で主役を張っていました。若き実力派だった。今後の活躍を期待しています!

まあひとつ注文があるとすれば、本作のサブストーリー(?)として長男の(いろんな意味での)旅立ちと次男の世界との和解があるんですけど、欲を言えば女の子たちの話をもっと観たかったですね。たぶんバックグラウンドとしてはあるんだろうけど尺のバランスとかの関係でなくなったんだろうけどさ、彼女たちがサバイブしていく過程もめちゃくちゃ面白いと思うなあ!!!

・一家のスタイリングが最高

野生児一味のくせにオシャレだな…っていう。機能美と、各人の美意識を足して2で割らない感じの装備が最高にかっこいいです。さらにただのナチュラル系オシャレかと思いきや、かれらの"勝負服"がヤバいです。すばらしいスタイリングです(スクショした)(するな)。演出のキレと併せてめちゃくちゃかっこいいシーン、美しいシーンがあってマジでアガる。ひゅ~~~!!

・邦題がイマイチ

本作の数少ない欠点のうちで最大のものがこの個性のない邦題だと思うんですよ!”はじまり”も”旅”もよく使われてる単語すぎて内容とリンクしないんよ。だって「はじまりへの旅」を誰かに勧められて、あとで機会があったときに、あ、あれか~見よっかな~てなるか?ならないよねえぇ~~~~。せいぜい、どっかで聞いたことあるな~くらいでしょうが。自分もそういうのいっぱいあるから分かるんですよ、外国の俳優の名前や顔も、普通は覚えてないからさ、例えばテレビで放送したとしても、積極的に観てみようという気持ちにならないと思うんですよねえぇ~~~難しいね~~~。

それでいうと、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」とか「君の名前で僕を呼んで」とか「6才のボクが,大人になるまで。」とか、ナイス邦題と思いますね。本作も原題の「CAPTAIN FANTASTIC」を活かしてなんかいい邦題をつけて欲しかったですね、"とてつもなくイケてる一家の奇想天外でナイスな冒険"、みたいな感じのやつ(難しいことを言うな)。

・まとめ

とにかく良かったのでみんな観よう!!!もう観た??ならオッケー!!

前の記事もそうなんですけど、自分がめちゃくちゃ気に入ってるのにあまり熱心なレビューを見かけなかったりすると、書かなきゃ!みたいな使命感に燃えるよね。ちょっとでも推したいよね。

ところで久々に小見出しっぽいものをつけてみたんだけど、小見出しをつけると記事が長くなりがちで良しわるしだなと思いました!

では!!!

映画「バーバラと心の巨人」を観て孤独な嵐を迎え撃つ

はあ~~~これは良い~~~思ってたよりだいぶ良かった~~~

公開されてたときは普通にスルーしたけど(てか覚えてない)、その後どこかで見かけた原語版ポスターの雰囲気がすごくいいので気になっていた作品です!!!期待以上だった!!

むしろ日本版ポスターのあれは何なの!?中二病の痛みと孤独をなめてんのか??これは自身の内面の嵐や喪失への不安と恐怖に対する防御と反転攻勢の準備だからな!!!あのポスター発案したやつ、わが刃の露と消えよ!(中二病的怒りの表現)

…。

………………。

それはともかく。ポスター気になった人は映画のタイトルで画像検索してみてね!ぜんぜん違う雰囲気のポスターが出てくるから…いやマジで日本語版ポスターのテンプレ感にうんざりするんよ。真面目に売る気あんのか???いい映画なんだからさ~ちゃんと宣伝してあげてよ~ポスターや宣伝と内容のミスマッチは観客にとっても不幸だよ~~

ちなみに本記事、たぶんすぐネタバレする。ネタバレ回避して感想を書くのほぼ不可能。気を付けて!!!!

↓ネタバレ除けに(?)、原作漫画のリンクを置いておきますね!!!原題にもなってる英語タイトル、かっこいいね!!!!

www.shogakukan.co.jp

本作、まず舞台が良いのです。アメリ東海岸、すぐそばに森が広がる美しい海辺の街。海岸沿いの崖の上に建つ古風な家に住む三人兄弟の末っ子、13歳(?)のバーバラ。彼女の居場所は、分厚い雲間に光射す海辺、陰鬱な霧に沈む森、廃棄された停車場。こんな秘密の場所があったら良いのにと子供のころに一度は憧れるような、異界との境界でセンチネルとして巨人と闘う少女。彼女はなぜ、闘うのか?巨人とは一体なんなのか?

それから巨人の登場シーンも大変によい。製作のクリス・コロンバスはハリポタシリーズに代表されるようなファンタジー大作を多く手掛けているということで、その手腕が光っていた。ダークで切実な、手を伸ばせば届きそうな、目を凝らせば見えそうな、すぐそばにある異世界

さらにさらに、この映画では登場人物が主役を含めほぼ女性のみなんですが、みんなすごく良かった。主役のバーバラを筆頭に友人のソフィア、姉のカレン、先生もいじめっ子も繊細で強靭な演技が素晴らしかったです。

さてそれで、改めて、バーバラにとっての"巨人"とは何か?

疾風怒濤の時代を待たずとも、繊細に揺れる思春期のただ中に訪れる、試練と呼ぶにはあまりに切ない喪失。人生における困難から心身を守るにはまだ十分な力を持たない思春期の少女が、不安や恐怖に立ち向かう手段についての物語。誰もが、人生のどこかで必ず対峙することになる孤独な嵐、それに立ち向かう勇気を、できれば、傍らに友愛の温もりをください、という切なる祈りが、この映画には込められているのです。

バーバラ、自分の世界に閉じこもりがちではあるけど鬱屈はしてなくてとっても聡明なのが良いんですよね。丁寧な演出と演技で、何らかの困難に直面している、一風変わった愛すべき女の子として描かれています。彼女は自分の手中にあるものを良く知っていて、観察力があって、他人に対しても誠実であろうとしている。家族には甘えがちで(末っ子だからね)、でも優しい。目の前の困難に立ち向かう勇気と行動力がある。彼女は、人にはたった一人で闘わなければならないときがある、ということを完全に理解していて、それゆえに差し伸べられた手に対して時に冷淡になるんだけど、でもそれが良くないことだとも自覚している。差し伸べられた手は、バーバラを試練から遠ざけてくれるわけではなく、もちろん代わりに闘うわけでもなく、ただ貴方を温め、支えるものだと、そういうことなんですよね(号泣)。

悲壮な決意を固めて孤独な戦いに挑むバーバラと、彼女を理解したいと(ごく控えめに)歩み寄る周囲の人々、どっちの気持ちも分かるから、ほんとうに心臓がぎゅっっってなる。

なんかね、周りから見ればどんなに意味不明で、滑稽に見えても、本人にとっては切実で切羽詰まってることってたくさんあるじゃないですか。大人になったらそれを無視したり取り繕ったりするのが上手くなるだけで、そういうことっていくらでもあるんだけど、その本人たち(主人公だけでなく周囲の人々も含め)の切実さや儘ならなさにちゃんと向き合った脚本や演出になっていてそれがすごく良かったんですよ。

とにかく優しくて強くて一生懸命な女の子たちの話だった。

ところでなにかと引き合いに出されているイメージの「パンズ・ラビリンス」ですが、あちらを観た時には割と強めのダメージを受けたけど(思い出すのもつらいレベル)、こちらは大丈夫でした。万人におススメできる。特に女子たち、かつて子供だった人、孤独な嵐をくぐり抜けて生き延びたすべての人に。

あとこれはただ思っただけなんですが、カレンとバーバラ(主役の姉妹)ってすごく古風な感じの名前だけどなんか理由があるんだろうか。意味のある名前なのかな。その辺はよく分かんないですね。

さて。

一方では。

日本語の感想記事だとネガティブな評価ばっかり目につくのは(記事タイトル見て即閉じしてるから読んでないけど)なんでだろうね。恋愛対象の男子やカワイイ女の子が出てこないから?内向的な自分がバカにされた気がするから?でもこの映画、主役のバーバラ含め、不器用だったり、不運だったりして世界と和解できてない女の子たちにすごく優しい。観察者の視点からの価値観を押し付けたりしないし、最悪のいじめっ子でさえ断罪はしない。ネガティブな感想を書いた人たち、この映画に込められた祝福を受け取れないなんてかわいそうだな。自分の中の、孤独で内向的な子供を許してあげれてないんじゃないの。大丈夫?人生つらくない?(積極的に煽っていくスタイル)

とにかく!

よい映画なんですよ!!自分は全面的に擁護します!!!

よろしくね!!!!!

 

そういえば公式サイト(って出てくるページ)、乗っ取られて改変されてる気がするんですが、大丈夫でしょうか!!!誰か管理してあげてーーー!!!(なんか不遇な映画だな…)

では!!!

映画「ラーヤと龍の王国」を見てディズニープリンセスに思いを馳せる

観ました!「ラーヤと龍の王国」!!配信と同時公開になってしまったおかげで公開規模が大幅に縮小されて、もう映画館で観ることは無いかもと思っていたんですが、近場の映画館でやってくれました…ありがとうございます!!!いえーい!

やっぱりこういうビジュアルに力の入ってそうな作品は映画館で観たいじゃないですか。うちのテレビ、古すぎて画素欠陥みたいなのが増えててやばいし。Desny+、なんかハードル高いし。ところで「ブラック・ウィドウ」はどうなるんでしょうね????大手シネコンはもう諦めたほうがいいのか??配信との住み分けについてどのようにお考えですか??ねえねえねえね

「ラーヤと龍の王国」の話をしなさい。はい。ネタバレはしてないと思うけど、自信はないので自己責任でお願いします!!!

まず全編にわたってビジュアルとアクションの外連味が、東アジアの美意識をくらえ!!って感じで素晴らしかったですね~!!エンドクレジットを見てるとアジアルーツのスタッフ(声優だけでなく制作も)が多そうな印象を受けましたが、きっとかなり意識してるんだろうなと思いました!そんな記事をどこかでみかけたけど探し出せない…。

そんでヒロイン二人(龍を入れたら3人だけどそれ以外の二人)のスタイルが最高に決まってましたね!!二人とも一応、王国の跡継ぎだからプリンセスなんですけども、荒廃した大地を疾走する流浪の剣士と、強大な王立軍を率いる若き将軍ですからね。設定だけで惚れそうですね。個人的な好みとしては、ラーヤの荒くれ感(プリンセス…)も良かったけどその”親友”、ナマーリのビジュアルがマジで最高。あのめちゃくちゃイカす髪型とそれを引き立てるイヤカフ。ふわ~~~王立軍に入隊して手柄を立てて褒められたい~~~(何の話)

あと特筆すべきなのは、本作におけるヴィランは誰なのか?ということです。ラーヤは何と戦っているのか?倒すべき相手は何なのか?という問題設定が非常に今日的でした。それはクライマックスの、ラーヤの選択に象徴されてるんですよね。そこでそうするの!?っていう驚きは、「2分の1の魔法」を観た時の感覚に通じるものがある。さすがに大御所はハズし方も貫禄があるな…っていう。いやなんか、当たり前だけど観客が求めるハッピーエンドをきちんと用意して、さらにそれを上回ってくるのすごいなと思いました。そこまでの展開とかビジュアルとか演出とかで十分に楽しませてもらってるんだけど、ちゃんと正統的な驚きを用意するのさすがですよ。

技術的なところでいくと、従来フルCGが苦手だとされていた自然物、特に水の表現がもう極まっていましたね!(そういえば劇中で、親しい人への愛情を込めた呼び名が水の表現だったのすごい面白かった、水≒龍をかけがえのないものとして敬っている世界観の表現のひとつなんだろうけど、なるほど~っていう)アジアの龍を題材にする時点であらゆる水の表現から逃れられないというか、この技術力あってのこの題材というか、ほんとにすごかった。初めて「アナと雪の女王」を劇場で観た時、オープニングの氷を切出すシーンで、ああもうこの映画わざわざ見に来たかいがあったわ、て思ったんですけど(早いよ)、その感じを思い出しました。

でようやく本題なんですけど。前説が長いんだわ。

今回、ディズニーの、女の子が主人公のアニメを見たのが先述の「アナと雪の女王」以来なんですけども(モアナは観れてないので…)、同時代の女の子に向けてつくる、ていうのを徹底してるんだなということに改めて圧倒されました。いやほんとに。女の子が主人公でも、大人への目配せのほうが悪目立ちしたり、テーマが子供にはふさわしくなかったり、倫理意識が希薄過ぎて子供に見せたくなかったり、単に"無"だったり、みたいなことをやらかしがちな本邦においてはなかなか期待できないレベル。まあマーケットサイズが違うので難しい面もあるだろうけどさ。

いまの時代の女の子の憧れや、将来を担う子供にふさわしい倫理意識、ロールモデルとしての脇役陣、闘うべき相手、すべてがハイレベルで、物語の中にこれでもかというくらいに詰め込まれています。それぞれの要素への賛否というか、いろいろなレベルでの意見はあるだろうけれど、とにかく”女の子たちに向けて発信する”ということをこれほど徹底してるのは本当にすごいです。女の子たちに健やかに育ってほしいという祈りが、ディズニープリンセスをより一層、輝かせるんですね…はぁ~(感嘆)。

これまでの作品で様々なプリンセス像を提示してきて、そのたびごとに新しい価値観へ踏み込んでいたということが良く分かります。まあこちらの読解力が経験を経て上がったということもあるんでしょうけども。幸運にも本作を観ることのできた女の子たちには、ぜひこの作品に込められた祈りと祝福を、当たり前のものとして受け取って、伸び伸びと生きて欲しいなと思いました。

ちなみに本作の数少ない弱点(というかどうかは微妙なんですが)は、「Let it go」みたいなキャッチ―な劇中歌が無いことかな…なんでだろ。なんか難しかったのかな。CMとかで印象に残りにくいから勿体ないなーとちょっとだけ思いました。

ということでね、やっぱディズニーはすげえや!ということでした!しかしDesny+はどうしましょうね…

では!!!!!

映画「亡国のイージス」を観て阪本順治監督への信頼を深める

映画「亡国のイージス」観ました!

阪本順治監督、マジで信頼できるな(前の記事参照)
・俳優陣もけっこう良かったな

というようなことを以下、とりとめもなく書き連ねております!ちなみに原作は未読で、この作品自体には特に思い入れもないので合わなさそうな人はスルーしてね!!あと、記事の後半で明らかにネタバレをしています!!!!!(公式でもありそうなレベルではありますが)

 

まあ「亡国のイージス」自体はねー、邦画だし自衛隊だし、GAO!で無料じゃなかったら観てなかったと思いますがね。興味の範囲外すぎる。でも意外と良かったなと思って、Wikipedia読みに行ったら(Wikipedia好きだね)阪本監督だったのでほほう、てなったのでした。

脚本は、開始数分ですごい数の登場人物が出てくる群像劇をよくこの尺にまとめたなという感じです。回想もテキパキと盛り込んで、なんとなく複雑な背景がありそうな雰囲気になってるのすごい。完全に艦上のドラマに振り切ったのはわりと奏功してると思いました。せっかくの本物だしね。

洋上の緊張感と対照的なのが地上の閣僚たちのダレ具合で、あの、アメリカさんが何か言ってくるまでは何も決められないな~、ていう雰囲気が妙にリアリティがあって、日本企業で働く会社員としては身につまされますね。「シン・ゴジラ」のあのてきぱきした会議はあれこそが虚構だと思っているので。「シン・ゴジラ」の、虚構VS現実、みたいなキャッチコピーを見かけて、いやどれが"虚構"だと??とか思ってました。よね??平成日本の防衛大臣があんなに主体的に動けるわけないじゃん、ていうね。そういうのは1945年かそのあとに戦中派とともに失われたんですよ。あれはある種のファンタジーの世界で、だからこそ熱狂されたわけで(蒲田くんも魅力的だったけどさ)。

なんの話かというと、あのデスクワーク勢の、当事者意識の希薄な感じは阪本監督の実感というか実体験というか、職人的職業人から見たホワイトカラーの世界というか、そういう感じなんだろうか、て思った、てことです。たぶん、坂本監督は撮ってる本数から考えても職人的な、いわゆる"なんでも撮る"タイプの監督だと思うんですが、その中で自分の経験的実感とか価値判断とか美意識とかを絶対に手放さないのがすごい腕力だなと思いました。

あとですね、前の記事で書いた「闇の子供たち」を観たときからなんとなく思っていて今回で確信したんですが、阪本監督、俳優の”良い顔”を撮るのがめちゃくちゃ上手い。全員、他の作品に出ているときの5割増しくらいでいい男/女に見える。本作、「闇の~」とは違って主要メンバーが主役クラスの俳優ばかりだったので、邦画やドラマをほとんど見てなくても見知った顔ばかりで、それでこの監督の技術力が際立っていた。

それでここからが最重要ポイントなんですが、さっき書いた地上メンバーのところもそうなんだけど、人を美しく撮るからといって、変に美化するわけではないのですよね。人の生死を無反省に美化するようなエンタメが世の中に溢れている昨今ですが(だから邦画は苦手なんですよ)、それは絶対しないんだな、ていうね。原作を読んだわけじゃないからどこまでがこの映画や監督の意図したところかは分からないんですが、主役もそれに敵対する側も、もっとヒロイックに描こうと思えば描ける題材なのに(だから観る予定なかったんだけど)、微妙にみんな不格好で無様なんですよね。だからエンタメ的盛り上がりに欠けるといえばまあそうかもしれないが、むしろこれが適切な節度なんではないか。観客の内面に踏み込まない節度というか。

逆に、閣僚とかはもっと醜悪に、あるいは単に愚かな集団として演出しようと思えばできたはず。でもそれもやらないで、ただ"論理"が違う世界として(比較的)価値中立的に描いているの面白いです。

地上組も洋上組も、もちろんテロリスト組(テロリスト組??)も単純な対立関係にしないのがこの作品の魅力の一つだと思いますが、それが監督の美点とよく合っていた。

そもそも米国の軍隊みたいに、建国の理念を背負ってるとかいうわけでもなくその成り立ちからして国民的合意の無い自衛隊を主題にした映画で、単純なカタルシスを求めるほうがおかしいんですわ(突然の暴言)。ハリウッドのアクション映画みたいになるわけないじゃん。ある意味ではエンタメ性を犠牲にしてでも、この題材を扱うときの躊躇いや後ろめたさを無視しない誠実さが、この映画の良さのひとつだと思いますし、その多くが監督の力量に負うところ大きい。

俳優陣もみんな良かったですが(監督の手腕でみんな”良い顔”してるから)中井貴一の、地上から0.5ミリくらい浮いてそうな感じとか、日本語が流暢なんだけど語彙が少ない感じとかが特殊工作員ぽくて良かった(英語でも500語くらいあれば日常会話はできるらしいので)。地球上のどこにも居場所がない、"半島を出"て来た、祖国を救うために祖国を滅ぼそうとする兵士なんですね。勝地涼の人も、あのたどたどしい振る舞いをどう評価するかは意見が分かれそうな気もしますが、個人的には"ここでしか生きられない"切実さが真に迫って良かったと思います。生きろ。

まあそういうわけでですね、邦画に関してまったくの初心者でありながらも阪本順治監督に心を奪われたので、視聴予定リストの上の方に入れておこうと思いました!!!

ていうか監督こそ健康に生きてください!!!!お願いします!!!

では!!!