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映画「哭声/コクソン」を観て混乱したので整理した

「哭声/コクソン」、観たんですよ、めっちゃ堪能したんですよ。てか梅雨の初っ端に湿度と戦いながら観たのはなかなか盛り上がって良かったです、東アジアのじわっとした不穏さと、田舎の濃密な人間関係と、驚きの展開の盛り合わせでお腹いっぱいですよ。

でそれはそれとして、分かりにくい暗喩みたいなのが大量に散りばめられていたな…というのも気になっていて、オープニングで新約聖書が引用されていたので、キリスト教に関連しそうなモチーフを整理してみました。一回しか観てないで書いてるので不正確な点が多々あるのと、考察とかあんまりできないので真面目に受け取らないでください…分からんしか言ってないし…。

なお内容の性質上、ネタバレがものすごいです。ご了承くださいませ!!!

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※なるべく登場順に並べたつもり

キリスト教の直接的なモチーフ
〇オープニングと洞窟の会話での新約聖書の引用(キリストの復活)
・村の教会
・神父
助教
・同僚のネックレスの十字架(主人公が「しまっとけ」て言うのはなぜなんだ)
〇森の樹冠の隙間が十字架

キリスト教を暗喩するモチーフ
〇湖(パンの奇跡、水上歩行の奇跡)
〇魚、魚釣り(人間を釣る漁師)
・皮膚病(キリストは癒す側なので、罪の自覚の比喩かな)
・火事(燃える藁の啓示…こじつけ過ぎ?)
・投石(ただし新約聖書ではキリストを含め誰も投石しないはず)
・娼婦(マグダラのマリア
・落雷(≒啓示、預言)
〇山の上(山上の垂訓…的な)
・黒い羊(英語で集団内の厄介者の意味)(山羊だと悪魔の手先になるけど…分からん)
・鳥(カラスor黒い鶏だったのでちょっと微妙)
〇釘打ちによる処刑(依代みたいなやつだったけど)
〇死者の復活(火事の家の死者、軽トラの死者)
〇夜明けの鶏が3回鳴く(裏切りの合図)
〇祈祷師の回心
〇洞窟での復活
〇手のひらの聖痕

それっぽいけど分からんモチーフなど
・雨(中東の乾燥地域≒聖書の舞台との対比?)
・カメラ(魂を抜かれる、みたいなの韓国でもあったの??)
・”日本人”(異邦人でありながら同胞、みたいな距離感なのは分かる)
◆赤い目
◆鹿殺し(?聖書では鹿はキリストの比喩だけど、鹿殺しとなると、うーん)
・血まみれの顔(何回もあったので演出上の要請だけではないような気がする)
・山の家の中の祭壇の写真(高齢の男性と女性?の白黒写真)
・黒い犬(魔物の象徴?キリストにとっては犬は救うべき対象の比喩らしいが)
・幻覚キノコ(中東でのキリスト教の発生に幻覚キノコが関わるという異端な仮説があるらしいけど…関係ある??なお聖書の中にキノコに関する記述は無いらしい)
・悪魔憑き(っぽい)少女(罪に触れてそれを自覚してしまったという解釈?)
・白い液体(祈祷師が吐いたやつ)(醤油壺の対比か?分からん)
・蛾?羽虫?(祈祷師の車にぶつかってくるやつ)(蝿だったら悪魔?)
・ラストカットの回想シーン

物語上の謎(自分が分かってないだけかも)
・火事の家の奥さんは、なぜじさつしたのか(キリスト教では禁忌)
・祈祷師はいつ回心(?)したのか。蛾?に襲われたとき?
・少女はどこへ行ったのか(復活したキリストに帯同した女たち?)

他にもあった気がするけど、分からんことが多すぎて忘れた…。

結局、誰が何だったのか
上で挙げたモチーフを整理すると、
〇→"日本人"が救い主であることを暗示するモチーフ
◆→"日本人"が悪魔に類する存在であることを暗示するモチーフ
・→分からん、なんも分からん

こうして見ると、國村準演じる"日本人"は、救い主であることを暗示されながら、誰にもそのようには受け取られていない存在なんですね…でも最後、明らかに変身してたよな…あれも夢オチか??分からん。救い主だとしたら何から救うんだ。田舎の閉塞?分からん。なんも分からん。

どれもこれも監督の手のひらの上のような気がしてきたな!!!

ここまで書いたところで監督がだいたい説明してくれている記事を見つけた…映画を観た後に読んだ方がいい気もするけど、良いインタビューだと思います。

www.webdice.jp

しかし韓国語ネイティブの観客からすると、得体のしれない”日本人”が、耳馴染みのある聖書の言葉を、知らない言語で喋ってるの、めちゃくちゃ不気味だよな??オリジナル版は韓国語字幕なのかな?それも気になるね~。

まあこれだけ書くことがある時点で、観た甲斐のある映画なのは間違いないですからね!!!!踊らされてるぅ!!!

では!!!