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映画「ラーヤと龍の王国」を見てディズニープリンセスに思いを馳せる

観ました!「ラーヤと龍の王国」!!配信と同時公開になってしまったおかげで公開規模が大幅に縮小されて、もう映画館で観ることは無いかもと思っていたんですが、近場の映画館でやってくれました…ありがとうございます!!!いえーい!

やっぱりこういうビジュアルに力の入ってそうな作品は映画館で観たいじゃないですか。うちのテレビ、古すぎて画素欠陥みたいなのが増えててやばいし。Desny+、なんかハードル高いし。ところで「ブラック・ウィドウ」はどうなるんでしょうね????大手シネコンはもう諦めたほうがいいのか??配信との住み分けについてどのようにお考えですか??ねえねえねえね

「ラーヤと龍の王国」の話をしなさい。はい。ネタバレはしてないと思うけど、自信はないので自己責任でお願いします!!!

まず全編にわたってビジュアルとアクションの外連味が、東アジアの美意識をくらえ!!って感じで素晴らしかったですね~!!エンドクレジットを見てるとアジアルーツのスタッフ(声優だけでなく制作も)が多そうな印象を受けましたが、きっとかなり意識してるんだろうなと思いました!そんな記事をどこかでみかけたけど探し出せない…。

そんでヒロイン二人(龍を入れたら3人だけどそれ以外の二人)のスタイルが最高に決まってましたね!!二人とも一応、王国の跡継ぎだからプリンセスなんですけども、荒廃した大地を疾走する流浪の剣士と、強大な王立軍を率いる若き将軍ですからね。設定だけで惚れそうですね。個人的な好みとしては、ラーヤの荒くれ感(プリンセス…)も良かったけどその”親友”、ナマーリのビジュアルがマジで最高。あのめちゃくちゃイカす髪型とそれを引き立てるイヤカフ。ふわ~~~王立軍に入隊して手柄を立てて褒められたい~~~(何の話)

あと特筆すべきなのは、本作におけるヴィランは誰なのか?ということです。ラーヤは何と戦っているのか?倒すべき相手は何なのか?という問題設定が非常に今日的でした。それはクライマックスの、ラーヤの選択に象徴されてるんですよね。そこでそうするの!?っていう驚きは、「2分の1の魔法」を観た時の感覚に通じるものがある。さすがに大御所はハズし方も貫禄があるな…っていう。いやなんか、当たり前だけど観客が求めるハッピーエンドをきちんと用意して、さらにそれを上回ってくるのすごいなと思いました。そこまでの展開とかビジュアルとか演出とかで十分に楽しませてもらってるんだけど、ちゃんと正統的な驚きを用意するのさすがですよ。

技術的なところでいくと、従来フルCGが苦手だとされていた自然物、特に水の表現がもう極まっていましたね!(そういえば劇中で、親しい人への愛情を込めた呼び名が水の表現だったのすごい面白かった、水≒龍をかけがえのないものとして敬っている世界観の表現のひとつなんだろうけど、なるほど~っていう)アジアの龍を題材にする時点であらゆる水の表現から逃れられないというか、この技術力あってのこの題材というか、ほんとにすごかった。初めて「アナと雪の女王」を劇場で観た時、オープニングの氷を切出すシーンで、ああもうこの映画わざわざ見に来たかいがあったわ、て思ったんですけど(早いよ)、その感じを思い出しました。

でようやく本題なんですけど。前説が長いんだわ。

今回、ディズニーの、女の子が主人公のアニメを見たのが先述の「アナと雪の女王」以来なんですけども(モアナは観れてないので…)、同時代の女の子に向けてつくる、ていうのを徹底してるんだなということに改めて圧倒されました。いやほんとに。女の子が主人公でも、大人への目配せのほうが悪目立ちしたり、テーマが子供にはふさわしくなかったり、倫理意識が希薄過ぎて子供に見せたくなかったり、単に"無"だったり、みたいなことをやらかしがちな本邦においてはなかなか期待できないレベル。まあマーケットサイズが違うので難しい面もあるだろうけどさ。

いまの時代の女の子の憧れや、将来を担う子供にふさわしい倫理意識、ロールモデルとしての脇役陣、闘うべき相手、すべてがハイレベルで、物語の中にこれでもかというくらいに詰め込まれています。それぞれの要素への賛否というか、いろいろなレベルでの意見はあるだろうけれど、とにかく”女の子たちに向けて発信する”ということをこれほど徹底してるのは本当にすごいです。女の子たちに健やかに育ってほしいという祈りが、ディズニープリンセスをより一層、輝かせるんですね…はぁ~(感嘆)。

これまでの作品で様々なプリンセス像を提示してきて、そのたびごとに新しい価値観へ踏み込んでいたということが良く分かります。まあこちらの読解力が経験を経て上がったということもあるんでしょうけども。幸運にも本作を観ることのできた女の子たちには、ぜひこの作品に込められた祈りと祝福を、当たり前のものとして受け取って、伸び伸びと生きて欲しいなと思いました。

ちなみに本作の数少ない弱点(というかどうかは微妙なんですが)は、「Let it go」みたいなキャッチ―な劇中歌が無いことかな…なんでだろ。なんか難しかったのかな。CMとかで印象に残りにくいから勿体ないなーとちょっとだけ思いました。

ということでね、やっぱディズニーはすげえや!ということでした!しかしDesny+はどうしましょうね…

では!!!!!